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「よっ!A〜?」


『…ぎゃあっ!!?
 え、ちょっと、早くない!?』


「ん?そうか?
 …ってか何してたの?
 なんか顔赤くね?」


『えっ!?
 あ、えっと、これは…。』



思いつけ、思いつけ、
顔が赤くなるような言い訳…。

いや、何がある…!?




「もしかして俺が来るの
 待ってたの〜?」


『はっ!?!』


「うそうそ、冗談だって〜。」




よいしょ〜とキヨはご機嫌に
私の隣に座り、机に頬杖をついて
私の顔をジロジロと眺め始める。




「ねぇ?今日の俺、どうだった?」


『えっ…?』


「見てくれてたんでしょ?
 俺の活躍ぶり!」


『あ、えっと…うん。
 良かったと…思うよ、それなりに。』


「だろぉ〜?
 誰かに見られてるって思ったら
 なんかいつもより
 やる気湧いちゃってさ〜」





そんなまじまじと見つめられたら
私、顔赤くなっちゃうって…。

いや、すでに赤いのか。





『見られてると緊張とかしないの?』


「緊張?まぁするけど
 それ以上に見てる人に
 活躍してる良いところ
 見せなきゃって思うだろ?」


『すごいね、なんか
 そういう精神っていうか。
 私なんかスポーツも全然だし
 見られてたら集中なんかできないよ…』


「そうなの?知らない人でも?」


『うーん。でも知らない人より
 知ってる人に見られる方が
 恥ずかしかったりもするかな。』


「まぁそれはわかる気もする。」




キヨはケースから
黒縁メガネを取り出して
中指でクイっと押し上げ整えた。




『尊敬するよ、ほんと。』


「Aにそうやって
 言ってもらえるの、なんか嬉しい。」


『え、私に?なんで…?』


「なんでだろう…。」




彼は私からやっと視線を外して
少しはにかむ様に言った。




「…今日、Aに
 良いとこ見せたくて
 頑張ってたからかな。」




開けっぱなしの窓から
ひんやりした夜風が
ふわっと入ってきて、
私の黒髪と彼の金髪をなびかせた。




そして彼は拳で左胸を2回、
あの時と同じように叩いて言った。




「Aはやっぱりさ、
 サッカー部の中でなら
 俺のことを一番に
 応援してくれるよなっ?」



屈託のない笑顔で
その拳を私の方に突き出した。



何その質問…それってつまり…




『えっと…そう、だね!』


「よっし!ファンが増えたぞー!!」





キヨは両手を挙げて
ご機嫌に鼻歌を歌いながら
画面に向かった。

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ゆゆゆ(プロフ) - みやさん» みや様♡本当にありがとうございます(T . T)ご期待に応えられるよう頑張りますので、是非今回も最後までお付き合い頂けたらと思います!(_ _) (3月1日 20時) (レス) id: 6fdc3e229f (このIDを非表示/違反報告)
みや - 今作も楽しく見させてもらってます!続きも楽しみです( ; ; )♡連載頑張ってください〜! (3月1日 16時) (レス) id: 2bd17039e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆゆ | 作成日時:2024年2月5日 0時

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