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そうして指相撲をし始めた二人は
キャッキャとはしゃぎながら
キヨの好きな人を掛けた
ゲームを楽しんでいる。









“キヨの好きな人”





私はそれを今知ってしまっても
良いんだろうか。



「やったぁ!!勝ったぁ!」


「おまっ…!ズルいぞ!?」


「でもちゃんと
 5秒カウントしたもん〜」


「はぁ…仕方ねぇな。
 負けたから言わなきゃ
 いけないんだよな…?」







静かに深呼吸をして。




「俺____ 」




さっきよりも聞き耳を大きく立てて。






「俺さ、実は…」







目を静かに閉じて。











「西澤が…。」








その言葉で一気に気が抜けた。





____ボトンっ!





やばっ。

持っていたドリンクボトルを
落としてしまった。





「え、なんか音しなかった?」


「すぐそこからしたよな?」





うわっ、聞いてたのバレたらまずい…。






パタパタパタパタ……



できるだけ足音を立てないように
階段を駆け降りる。




靴箱に着いて辺りを見回し、
誰も追いかけてくる様子がない事に
ホッと一安心した私は
ロッカーから靴を取り出した。




“俺さ、実は…西澤が…。”



その先の言葉なんて見え透いてる。





話し相手もきっと西澤さん。
あの、甲高くて少し鼻にかかる声は
きっとそうだ。






“なんかキヨっていう金髪の人と
 西澤さんって仲良いらしいよね。
 付き合ってるんじゃない?”




ジュジュの言葉が頭をよぎった。



そうだった。
あんなに可愛くて
スタイルも抜群な女子に
恋愛の相談に乗ってくれと
頻繁に頼りにされているのであれば、
キヨが密かに想いを寄せていても
全くおかしくない。






失恋かぁ…

よく考えたら本当に
思わせぶりな男だったなぁ。
やっぱりチャラいなぁ。

見た目に寄らず優しい人だと
思ってたのになぁ。

みんなにそうやってしてるんだったら
女垂らしと変わらないじゃん。




…明日からは部活が終わった時間の
パソコン室には残らないでおこう。






どんどん目頭が熱くなってくる。

いやいや、
なんでこんなことで…。




自分の感情を誤魔化すように
大きく顔を上げると
今にも雨が降りそうな空が広がっている。



ため息混じりの深呼吸をすると、
足早に学校を出た。

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ゆゆゆ(プロフ) - みやさん» みや様♡本当にありがとうございます(T . T)ご期待に応えられるよう頑張りますので、是非今回も最後までお付き合い頂けたらと思います!(_ _) (3月1日 20時) (レス) id: 6fdc3e229f (このIDを非表示/違反報告)
みや - 今作も楽しく見させてもらってます!続きも楽しみです( ; ; )♡連載頑張ってください〜! (3月1日 16時) (レス) id: 2bd17039e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆゆ | 作成日時:2024年2月5日 0時

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