お姫様と学校裏サイト ページ13
短期間で派手にやりすぎたのか、吉祥寺愛海が全く接触しなくなってきた。元々一人になる機会はあまりないし、皆が吉祥寺愛海を警戒してるのもあるかもしれないけど…。
女子達に不信感を与えられた今の内に吉祥寺愛海の信頼を落としたいんだけどなぁ…。
「んー、心配ないと思うけどなぁ。」
パソコンの画面を見ていたカルアちゃんが呟く。
「学校裏サイト、結構吉祥寺サンの話で盛り上がってるよ。吉祥寺サンがこのサイトの存在を知ってるかどうかはわからないけど…上手いこと使えないかな、これ。」
他人の不幸は蜜の味、とはよく言ったもので…この学校にも裏サイトなるものが存在する。そのサイトを作った張本人は私とカルアちゃんなんだけど、それはもう毎日、大量の悪口や不幸話なんかが書き込まれている。最近は吉祥寺愛海が私を叩いたことなんかも書き込まれている。匿名だからバレないと思ってるんだろうなぁ。
確かに裏サイトに書き込む際は匿名、ということになっているが…パソコンに強いカルアちゃんときりやん君にかかれば特定なんて朝飯前。とはいえ、余程のことがない限り特定したりしないけど。
「今のところ吉祥寺サンによる書き込みはないかな。書き込んでないだけで見てる可能性はあるけど…。でも吉祥寺サン、あんまりクラスの皆と関わってた印象ないんだよね。」
ついでに言うならカルアちゃんは人間観察が得意で、話してる相手が何を考えてるか、誰が好きなのかとかがなんとなく感覚でわかるらしい。だから吉祥寺愛海がスマイル君を狙ってるってすぐわかったんだよね。
「そもそも席が瑠玖の隣だからね…。それで調子に乗っちゃったんじゃないかな…。あっ、そーだ。」
とある計画を思い付いた私は、ニヤリと口角を上げた。
「いい事思いついた。これで吉祥寺さんの信頼を地に落とそうかな。」
これは最大級の釣り針。これに吉祥寺愛海がかかるかどうかはまだわからないけど…餌は大きいに越したことはない。
私は学校裏サイトに一つの文章を書き込む。
これに吉祥寺愛海が気付けば近い内にアクションを起こすだろうし、気付かなければNakamu君あたりに気付くよう誘導してもらえばいい。
「…準備完了、っと。」
あー、楽しみだなぁ。これが終わったらすぐにでも吉祥寺愛海をこの学校から追い出せる。…私達の居場所を壊そうとした罪は重いんだから、ちゃんと身を以て反省してね?
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作者名:さくらもち | 作成日時:2024年3月20日 17時