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お姫様と作戦会議 ページ5

「姉さ〜ん!!僕もう限界だよ!!」

お昼休み、半ば押されるように瑠玖に部室に連れて行かれ、開口一番そう言われた。

「よしよし…お疲れ様、瑠玖。」

わ〜ん、と泣きそうな瑠玖を抱き締めながら頭を撫でてあげる。

「吉祥寺さん、Broooock君にベッタリだったねー。」

紙パックの苺ジュースを飲みながらカルアちゃんが呟く。

「そうなんだよ!!転入生なのを言い訳に教科書見せて〜とか、今の公式どうやって解くの〜とか…。全然授業に集中できないし、見せてって言ってくるくせにずっと僕のこと見てくるし!!本当にうざい!!無理!!」

「ん〜…でもカルアの見立てだと、あの子はスマ君狙いだよ。」

「…俺?」

HR後に完全に目が覚めたスマイル君は、まさか自分に話が振られるとは思っていなかったのか、少し面食らっていた。

「うん。自己紹介の時から5回くらいスマ君のこと見てたし、多分あの子は…皆のこと知ってるよ。」

「…知られてても可笑しくはないねぇ。バンドとして活動し始めて、それなりに知名度も上がってきたし?」

―――そう、先程部室、と言ったが、Nakamu君、瑠玖、シャークん君、きんとき君、スマイル君、きりやん君は6人でバンド“White Tails”…通称“ワイテルズ”を結成している。最近では屋外のフェス等にも出るようになり、知名度はそれなりにある。…因みに、賞金等が出るフェスの場合、賞金の半分を学校に寄付するという形で成り立っている。私とカルアちゃんはマネージャーのようなものだ。

「きんちゃんの言う通り、今や6人はそれなりの知名度があって、皆顔面偏差値高いからねぇ…。女子の間では結構な人気なんだよ。問題は…吉祥寺さんの頭がちょっとは回るってこと。」

「ちょっとは回る…?なら僕にあんなにアピールしてこないでほしいんだけど…。」

「でもそのアピールはBroooock君が気づいてるだけでしょ?他にわかりやすいアピールをしてるわけじゃない。つまり…クラスメイトから見た吉祥寺さんはそこら辺のミーハーとは違うんだよ。」

…瑠玖達は人気バンド故、数多の女子から告白されている。大抵は丁重にお断りするが、中には私やカルアちゃんが居るからだと誤解してくる人達もいる。…まあスマイル君とは付き合ってるし強ち間違ってはいないんだけど。そんな女子達から嫌がらせを受けたことも一度や二度じゃない。だから、私とカルアちゃんは自分で自分の身を守ることにした。

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作者名:さくらもち | 作成日時:2024年3月20日 17時

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